残根の抜歯で挺子(ヘーベル)を挿入できる場所がない

挺子(ヘーベル)が挿入できない限り抜歯はできません.無理な力を入れれ

ば挺子(ヘーベル)が滑脱し事故を引き起こしかねません.Flapを形成し

歯根膜腔を拡大させるように歯根周囲の骨を削去し挺子(ヘーベル)を挿入

する座を作りましょう.

⑪残根抜歯のボイント

挺子(ヘーベル)が挿入できないときは,挺子(ヘーベル)が挿入できるスペースをつくる

必要があります.

挺子(ヘーベル)は歯根膜腔に挿入するものです.炎症を起こしている歯で

あれば周囲骨の吸収が起きているために歯根膜腔が拡大しており容易に挿入できます.

しかし高齢者の歯頚部で破折した残根では歯根膜腔が不明瞭となっており挺子(ヘーベル)の挿

入が困難なことが多いです

そのような時にはFlapを形成して周囲骨を削去して座を作ります.

②挺子(ヘーベル)挿入までのフローチャート

(2)挺子(ヘーベル)の挿入:力を入れずにスペースの有無を確認します.

(3)スペースが確認できれば,左手で①歯槽骨②臨在歯の両方を把持して抜歯します

(4)スペースが確認できない時にはFlapを形成します.

(5)再び挺子(ヘーベル)を挿入してみます

(6)挿入困難であれば,歯根周囲骨を削去します.この際は歯根膜腔を拡大させるかの

ようにフェザータッチで骨を削去し歯根を削去しないようにするのがコツです.

(7)周囲骨削去終了

(8)挺子(ヘーベル)挿入可能となれば左手を添えて抜歯します.スペースがしっかりと

確保されていても動揺が生じない時には周囲骨削去を拡大させ抜歯します.

コメント