歯髄に近接する深い窩洞でも,確実な接着でコンポジットレジン修復してく
ださい.その場合,襄層の必要はないことがわかっています.
インレー修復ではレジンコーティングが勧められます.
裏層(lining)
裏層は,物理的・化学的刺激から象牙質を守ることを目的に従来より行われてきました.
切削で露出した象牙質而を,セメントなどの材料で被覆し,修復材料や外来の刺激を遮断し
歯髄を保護する治療技術です.深い窩洞には裏層が必要との考えが長く支持されてきまし
た.
②微少漏洩
かつてはレジン材料中の未重合モノマーが象牙細管を通過して歯髄を刺激し,歯髄炎か
ら時として歯髄死を招くという考えが広く受け入れられていました.しかし,現在では,修
復材と歯質が確実に接着していないために生じる微少漏洩が外来刺激の侵入を許し歯髄刺激の原因となることが明らかにされています.したがって,歯髄保護の要は,切削
で露出した象牙質をいかに確実に封鎖するかです.
③現在の歯髄保護の考え方
現在は,切削象牙質に確実なレジン接着で良質な樹脂含浸層とレジン層を作ることが歯髄
保護につながると考えられるようになってきました.そのためには,レジン接着操作に際し
てとくに留意すべき点があります.どの製品を使うにせよ被着面を唾液や血液,また歯肉溝
からの浸出液で汚染させないことです.
⑨インレー修復とレジンコーティング
インレー修復の際には,歯髄保護としてレジンコーティングの活用が勧められます.象牙質レジンコーティングは,間接修復において形成後,印象採得前に,切削象牙質面
をレジン接着材料によってコーティングする.これによっ
て生成した樹脂含浸層とレジン層が,象牙質而の汚染や術後に発現する知覚過敏や疼痛を防ぎます.この治療技術は,現在,生活歯の支台歯形成(生PZ)面にコーティングを行った場合に歯髄保護処置として保険算定できる
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